CHAMELLOWS「RAT HEARTS」

  • 2006/10/30 22:31
  • Category: C
strawberry and blue dissolvemiuraさん(declicさん)に書くとお約束していて、
不条理音盤委員会Mao.Kさんも「音楽バトン」でチラリと紹介されていたアルバムです。

chamellows.gif

フィンランドの女性アーティスト、Lau NauMikko Kuorinkiによる10年前の宅録ユニット、Chamellowsの音源。

■Lau Nauについて以前書いたアルバム
LAU NAU「KUUTARHA」

Lau Nauのソロ作は、おもいっきり「フィンランド」という土地柄と音楽性が全面に出ていましたが、このユニットの作品はローファイでストレンジなUSインディ・ポップといった趣で、ゆる~いのに、実験性のある作品です。
chamellows2.gifメロディも歌も曖昧。アコースティックを中心とした様々な楽器の音を切り貼りし、それぞれの曲を途中で放棄してしまった感じというか、デモテープとでもいいますか…子供がさんざん遊んだ後、おもちゃやお絵描き道具がそこらへ辺に散らかしてある感覚に近いです。

おもちゃっぽいノイズ作品といっても良いと思うのですが、昨今のジャンル定義が難しく断定はできません。とにかく、この不思議な成分で構成された音楽に身体が溶けてしまいそうです。
ふにゃふにゃ~。。

【2006/FONAL RECORDS】

Fonal Records

聴きやすいのを選んだつもり…
Sandiego Rat Heart
Summer Fun

:::購入先:::warszawa
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V.A. / SITAR BEAT ! INDIAN STYLE HEAVY FUNK VOL.1

  • 2006/10/25 01:10
  • Category: Various
楽しみにしていたCDを買いにいったら、在庫がなくて本店から取り寄せだって…。
内金を1,000円支払って他のCDを物色していたら、店内で『今週のおすすめ盤』としてかかっていたBGMが気に入ってしまって、「今、かかってるの下さい!」と、忙しそうにしている店員の手を煩わせて探してもらったCDです。

sitarbeat.gif

60年代後期、70年代、80年代初期に渡るインディアン・ディープ・ファンク・サイケデリック・コンピレーション!どうやら無数に生まれては消えて行くインド映画のサントラ音源から直録りした音源をコンパイルしたシリーズ「SITAR BEAT」で、EPを4枚リリースした後にこのCD化に至った模様です。

アーティストについてもよくわかりませんが、下記の通り。
Klaus Doldinger / Kalyanji Anandji / Sapan Jagmohan / Asha Boshle w/ R.D. Burman(インド映画の作曲者) / Serge Gainsbourg / Ananda Shankar(インド映画の作曲者) / R.D. Burman / 他。

あれれ、セルジュ・ゲンスブールの曲も入っていますね。

インド映画といっても、シタールやらファズギターやら、オルガンやらフルート(「コンドルは飛んで行く」のパクリっぽい曲もあり)やら、60年代後期サイケロック、日本の60~80年代映画やドラマ(火曜サスペンス劇場のテーマに似ている曲まであり)、スパイ映画、モンド、全部ひっくるめて、ヴォーカルありからインストまで、これでもかと襲いかかる怒濤の21曲!

どうやらインド映画のサントラは、いろんな国のポピュラー音楽から頂戴して(いや、ちがう…勉強して)いるらしいことがわかりましたぞ!

黒い煙や紫の煙(!)が、とぐろ巻いてそうな神秘のファンキーシルクロード。
あ~、、ディープ過ぎててちょっとショッキング。
決して茶化しているわけではなくて、このグルーヴ感やファンキーさは本当にカッコいいのですよ。
ショップ同様に大オススメ盤です。

【2006/GUERRILLA REISSUES】

Sitar Beat
Dhamatma Theme Music
Theme From Don
Hum Tumhe chate Hain

:::購入先::: Jet Set Records
AMAZONでは取り扱いなし。

HELENE「ROUTINES」

  • 2006/10/23 22:55
  • Category: H
helene.gif

イギリスの女性シンガー・ソングライター、ヘレンの2ndアルバム。
「Cocteau Twins」のサイモン・レイモンドがプロデュース。


Mazzy Starが陽だまりで演奏をしてる?
もしかしてHope Sandovalの妹!?

……なんて想像もしてしまいますが。

ヘレンが引き合いに出されているのはMazzy Star.....
だって、まるで「Mazzy Star」に太陽が差したようなサウンドですもん。

ギター、ドラム、ベースのシンプル編成のバンドで歌う、ソフトなサイケデリック感のあるフォークやフォークロック。カントリー風、ヴェルベッツ風(?)、子守唄風の曲と、ウェスタン風なインストも挿入されて、ギターもさりげなく主張をしています。寂しげなメロディがちょっと切なくたって、ほどよい気怠さと可憐な歌声に包まれていると、ほのぼのとした幸せを感じてしまいます。

【2006/SERIES8】
helene2.gif

Helene
myspace.com

This is All We Have to Know
Routines

:::購入先:::AMAZON




PIT ER PAT「PYRAMIDS」

  • 2006/10/22 11:30
  • Category: P
pitarpat2.gif

シカゴに拠点を置くトリオバンド、ピット・アー・パットの2ndアルバム。
■1stアルバム『SHAKEY』の記事はこちら

ドラム、ベース、キーボードのトリオバンド。
手数の多いドラム、フリーキーなキーボードとベースが絡む、男女交代ボーカルのアートロック~ポストパンクを彷彿とさせる混沌としてめちゃくちゃな音。

…だったはずだったのに、この2ndアルバムは違ってました。

ドラムはピタッと大人しくなって、キーボードも整理されて、ヴォーカルはキーボーディストである女性のフェイ・デイヴィスちゃんの可愛い舌足らず歌だけになりました。暗く掴みどころのないメロディはそのままで、ドラムとキーボードの音が減り、その分ベースが目立ち、深みを増して音響的に傾いています。なりふり構わなかったあの3人のセッション的な無謀さが面白かったバンドなのに、全体的にボヤけてしまった印象です。

各レビューは絶賛で、カンタベリー、ポスト・ロック、フリー・フォークというジャンル文字が並び、「Tortoise」のジョン・マッケンタイアと「ピット・アー・パット」メンバーによる共同プロデュースになっています。

このアルバムから聴いた人が気に入ったのならもちろんそれで良しですけど、
前作が好きだった私としては、ちょっと残念です。
なので、私個人は敢えておススメはしませんが、書かせてもらいました。

【2006/THRILL JOCKEY】

myspace.com

レーベルサイトで試聴ができます。
Thrill Jockey

:::購入先::: AMAZON(試聴あり)

FUJIYAMA登山

三軒茶屋(東京 世田谷区)に遊びに行って、あの店を目指して歩きました。

一見、工事現場かと勘違いしてしまそうな佇まいのお店『FUJIYAMA』

fujiyama.gif


江戸アケミ看板の綺麗な写真いい歳した男が…のloosecubeさんが
載せてらっしゃるのでそちらの方もご覧下さい。

日本インディーズシーンを支え、見つめ続けてきたレコード店。
近くに住んでいた頃はよく遊びに行って、
ソノシートやらグッズを買って、
店主やアルバイトの女の子とおしゃべり。
私は音楽ミニコミ誌を置いてもらっていましたよ。

ここにいてくれてありがとう。
でもね、ほんとは何度も訪ねてたんだけど
いつもお店がシャッター閉じっぱなしでねー。
いい加減なんだ。。

私はもう日本のインディーズなんて、ロックなんて
わからなくなってしまったけどね。
ここにこの店があってくれると安心するのです。

画像が途切れて見えないけど、お店の屋根の看板には
「自分の踊り方でおどればいいんだよ 江戸アケミ」
と書いてある。
別に江戸アケミの言葉でなくてもいいんです。
誰の言葉だって…
こんな自分だけど、やっぱり私は私でいいんだ
と、安堵して下山しました。

こんなだから、反省しないから、変われないんだけどね。
とりあえず、ピアノコンクールの失敗はもうひきずらないように
しようと思う。

(引きずってたんか?
……ハイ。

THE TIMES「ET DIEU CREA LA FEMME」副タイトル「CREATION70」

  • 2006/10/17 21:50
  • Category: T
times1.gif


自信はないけど、これがパイクマン的傑作アルバムの一枚ダ~!(自信がないので小文字。。)

プライマル・スクリームの名盤『スクリーマデリカ』(91年)とほぼ同時期に出た負けず劣らずの傑作なのに、知名度低いために相手にされなかったザ・タイムス(U.K)の11枚目(多分)のアルバム!

「ザ・タイムス」はクリエーションレーベルの裏番長、エドワード・ボールのバンドで、初期はネオ・モッドバンドとして人気がありましたが、エド自身はユニットやバンドをハシゴしていました。
Television Personalities/O Level/Teenage Filmstars/Biff Bang Pow!/Love Corporationなどなどですね。

そして、長期に渡り、力を入れてやっていたのがこのタイムス!

活動中の後期に近いアルバムで、表現は悪いですがギターポップで歌ものをやっていた人が、クラブミュージックに手を染めたかのようなアシッドハウス色の強い90年代初頭アルバム。歌ものやギターポップものも入っていて、試行錯誤しているのが伺える内容に思えます。ですから、あくまでもジャンルとしてはロックからは抜け切れていないのですが、新しいもんに手を出してしまうんだ…エドという人は。。

しかしながら彼本来のポップ性、メロディーがギュッと凝縮したようなサウンドに未だに心躍り、中でもグランドビートに載せたM-3の“Confiance”、M-4の“Chagrin D'Amour”の極上の曲といったら!!…これです、これなんです、エドワード・ボールが本気を出したら!!
これぞイギリスの良心!(よくわかってないけど)
美メロのオススメマンチェスター隠れ名曲です。

そして、(goglemanさん&皆さん!)
M-12の“Extase”は、誰でも耳にしたことがある「ホット・バター」の“ポップコーン”のカヴァー。ちょっとダサいですが、どうでしょう。う~ん。私には善し悪しはわからずです。
“ポップコーン”関連については、KEMPIRE音楽詩集goglemanさんのところでどうぞ!!

ま、前述した『スクリーマデリカ』に比べたら、繊細さやトータル性ではかなわないですが、
パイクマン的傑作アルバムです。
(あっ、やっぱ小文字。。)

【1990/CREATION】

Confiance
Septieme Ciel
Extase

LISA LI-LUND & FRIENDS「LI-LUND RAN AWAY」

  • 2006/10/15 13:07
  • Category: L
lisali-lund.gif

スウェーデン・インディー・シーンの人気バンド「Herman Dune」のメンバー、David IvarとAndrey Herman Dune兄弟の妹であるLisa Li-Lundのデビューアルバム。

…って言ってもよくわからなくて、ジャケットがやけに春~夏っぽいけど気にせず聴いてみたらとっても良かった。アコースティック・ギター中心の方の力が抜けたフォーキー・ポップで、ポコポコしたリズムトラックに載せて歌うインディ・ポップなどもあります。お兄さんとのコーラスや、オーヴァーダブされた彼女のコーラスハーモニーも素朴。スカスカのチープな音と可愛い声でリラックスできます。ついでにルックスも可愛い!

スウェーディッシュ特有のメロディアスな甘さも控えめな気もして、ティータイムにピッタリだけど、ケーキじゃなくてマフィンな感じ?

【2006/SMOKING GUN】


myspace.com

Matzo-All Over
Your Shoulder

:::購入先::: AMAZON

J.P. SHILO「AS HAPPY AS SAD IS BLUE」

  • 2006/10/13 23:25
  • Category: J
j.p.shilo.gif

待ってました、J.P.Shilo~!シロー!
…日本人みたいな名前だけど違います。
「The Hungry Ghosts」というインストゥルメンタルグループのメンバー、J.P.ShiloことJohn Brooksのソロデビューアルバム。Sonic YouthのSteve Shelleyのレーベル、Smells like recordsからのリリース。


以前一曲だけ聴いてかなり気に入り、アルバムを待ってたんです!
オーストラリアのチベット仏教瞑想センターで過ごし、そこで作られたという本作は全曲インストで、懐かしの4トラックのマルチトラックレコーダー(MTR)で作られたチープでローファイな15曲。(音が悪いと怒る若人がいると思われる。)

エレキギター、ドラム、アコーディオン、ストリングス、シンセなどを用い、チベット音楽(?)に影響されたかのような曲、情緒溢れる映画音楽、壊れたブルースロックとでも表現したい(「The Bad Seeds 」を彷彿させる)曲など、バラエティ豊かに聴かせる不思議な脳内宇宙旅行。効果音あるいはノイズ的に現れるバック音は、カットアップの手法を使っているらしく、さらに神秘性を増しています。

私が聴いて気に入ったという曲M-3の“As happy as Sad is Blue”は非常に短い曲なのだけど、アルバムタイトル曲です。

シロ~!!

【2006/SMELLS LIKE RECORDS】

shilo.gif
Smells Like Records

As Happy as Sad is Blue
Begone Dull Care
The Drowning Horse

:::購入先::: warszawa
AMAZONはコチラ

悪魔とダニエル・ジョンストン

シネマライズX(10月いっぱいまで)でドキュメンタリー映画、『悪魔とダニエル・ジョンストン』を観てきました。

ダニエル・ジョンストン : Daniel Johnston(1961年生まれ)は、ここでは度々名前を出してますが、80年代から活動を始めたアメリカのシンガー・ソングライターで、精神疾患がある為に、その奇行ぶりもクローズアップされてしまい、今では生きながら伝説のアーティストとして名を馳せることに!……そのダニエルのドキュメンタリーです。

thedevil2.gif多動性障害を持つ男の子、ダニエル・ジョンストン。
絵を描くのが上手で、母親が自分を叱っているところを
こっそりカセットに録音したり、8ミリビデオで録画していたり、と天才ぶり(変人ぶり)を発揮。
ビートルズを愛し、ジョン・レノンになりたかった男の子は、大学時代にローリーという女の子に恋をする。
ローリーはダニエルにとって、曲作りのインスピーレーション。
しかし、ローリーは葬儀屋と結婚してしまう。
(彼が書くラブソングは現在もローリーへの愛を綴る。)

たった1曲聴かせただけで人々を虜にするダニエルは、
まんまと(!)MTVのライブにも出演。
しかし、その後は躁鬱病を発症。
入退院を繰り返し、LSDで悪化。
障害事件数回。
……いやはや、壮絶な人生。
普通の人間ならもはや生きていないだろう。
彼を見守る人々を傷つけ、自分も傷ついていく。

悪魔が彼に取り憑いたのか、
…それとも彼が悪魔なのか…?!



ドキュメンタリー映画の善し悪しはよくわからないけど、
幼少の頃からのそのまんまのダニエル追い、彼を取り囲む人々のインタビューと
ライブ映像を交えて進められていくだけ。
古い時代から最近までライブを多数観られるのがファンにとって大きな収穫。
圧倒されるライブの光景と、彼の詩、絵、生き様に涙が止まらない。
けど、悲愴感はなく、彼の愛すべきキャラクターは笑いを呼ぶ。
クスクスっと小さな笑い声があちこちから聞こえる、そんな映画。

亡くなったシド・バレットとオーバーラップする部分もあるダニエル。
シドは精神に異常をきたして早々と向こうの世界に行ってしまったけど、
このダニエル・ジョンストンときたら、
さらに壮絶でむごたらしい人生を歩みながら、
家族や仲間に支えられ、今も絵を描き、曲を書き続けている。

観て良かった。

thedevil.gif*観客席38席の極小シアターで、チケットに通し番号が記入されていて、観客が38人を超えたらその回の上映は観られません。最終上映を観にいって、もしも混んでいたらその日は観られない可能性もあるので注意!整理券をもらったら3日以内に観に行かなければならないという決まりもあるようです。前売り券でも、整理券が必ず必要みたいです。

パンフレットはダニエル・ジョンストンのイラストが表紙で、読み応えのある本になっています。
1000yenなり!→




JESSICA BAILIFF「FEELS LIKE HOME」

  • 2006/10/09 21:06
  • Category: J
jessica.gif

98年にデビューした女性シンガー・ソングライター、ジェシカ・ベイリフのソロ4枚目。

夏に買って、夏の強い日差しには合わなかったこのアルバム。
昨日、空が低くなったのを確認して、庭の鉢植えをより日の当たる場所に移動させた後に聴いてみたら…ほらね!やっぱりこの季節にだんだん似合ってきた。

以前も書いたけど、音楽は季節に合わせて衣替えするように聴くのもいい。
今までもこんな風に工夫して聴いていたのなら、あんなにCDを売らずに済んだのに、
と後悔(笑)。

アコースティック・ギターと必要最小限のストリングス、ピアノ、ベース、パーカッションで紡ぎだす、どこかサイケデリアなフォーキーソング。
冷え冷えとした音響に、爆発しそうな歌への情熱はギターノイズに託され、
沸点に上りつめるのを避けるように淡々と歌う。
旋律は完成するのを拒むように、終わりのない夢のよう。

このひんやりとした音をどう受け止めていいのか迷った夏には終わりを告げて、
今の気持ちで聴く。地味だけど、氷のように透明で美しく、永久にそこにいてくれそうな音。

【2006/KRANKY】

jessica2.gif

Jessica Bailiff

We were Once
If we Could

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  • Author:パイクマン
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proften.gif
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